骨粗しょう症(骨粗鬆症)は、骨の量(骨量、骨密度)が減少したり、骨の質(骨質)が悪くなることにより骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
骨粗しょう症によって骨がもろくなると、ささいな転倒でも骨折し、治療が長引き身体機能が低下して、そのまま寝たきりになるなど介護が必要になるおそれがあります。さらに寝たきりは認知症も誘発しやすくなります。つまり骨粗しょう症がこわいのは、自覚症状のないまま進行し、転倒・骨折がきっかけとなって要介護状態や寝たきりとなり、「健康寿命」を短くしてしまうことにあるのです。
※令和元年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、要介護者の介護が必要となった原因として、「転倒・骨折」が第3位となっています。
以下に該当する方は、骨粗鬆症のリスクが高いとされています。
- 閉経後、または治療により生理を止めている方
- 運動不足・栄養不足の方
- 常習喫煙・過度のアルコール摂取者
- 甲状腺機能亢進症などの内分泌の病気と診断された方
- 糖尿病、慢性腎臓病などの生活習慣病と診断された方
◆骨密度検査
骨密度検査には大きく分けて超音波を用いる方法とX線を用いる方法の2種類があります。
超音波を用いる方法はX線による被ばくがないというメリットがありますが、簡易的なものです。当院では、2種類のエネルギーのX線を使い透過率の差を利用して骨密度を測定する「DEXA法」で検査しています。腰椎と股関節(大腿骨頚部)の「DEXA法」は、骨密度の標準的な測定方法で、最も精度の高い方法とされています。
骨密度の値は年々変化していくものなので、経時的な変化をみるためにも定期的に測定することが重要です。
特に、女性は男性と比較して骨量が少ない上に、閉経後にはホルモンバランスが崩れ骨密度が低下するので、積極的に検査を受けることをお勧めします。
当院では、健康診断のオプションでも骨密度検査を受けることができます。